血栓症とは何ですか?
血栓症とは血管の内側に血の固まりができることをいいます。この種の固まりは血栓(thrombi-スロンバイ)として知られています(単数はthrombus-スロンバス)。血液が固まるのは自然な働きで、通常は怪我(例:切り傷)をした際に血液が強固し、傷を癒す働きをしますが
通常血液は血管の内側で凝固しません。そのような固まりが進むことは、問題を引き起こす
可能性もあります。
どこで、そして何故起こるのですか?
血栓症は、どのような血管においても発生する可能性があり、それは血液の流れをさえぎる
ことで生命維持に必要な器官(例えば心臓に血液を送る動脈)に取り返しのつかない結果を
及ぼします。航空機を利用したご旅行では、下肢の深部静脈での発生が懸念されます。酸素を豊富に含んだ血液は、高圧で動脈から脚に供給して、脚の組織なすために酸素の多く吸収し静脈によって心臓に戻ります。そして、それはもう一度心臓に戻って、再び循環する前に再酸素処理されるために肺を通り抜けます。
脚の組織における微小血管は、静脈に戻る血液の圧力を減少させます。血液を脚から心臓に戻す際、受ける重力に打ち勝つために、静脈には逆流を防止する弁が備わっています。下肢の深部静脈はふくらはぎの筋肉内に在り、筋肉が力強く収縮すると逆流防止弁にパンピング
効果を生んで血液の戻りを助けます。
筋肉の収縮が働かなければ(例えば、固定されているため)小さな血栓が形成されるポイントで血液の流れが減少(静脈中鬱血として知られている)する可能性があります。
これらは殆どの場合問題を起こすまでにはいたりません。しかしながら、極端に肥大化したり、連鎖作用によって血管をふさぐほどの血栓に発展する場合もあります。
DVTは肺疾患塞栓症と同様のものですか?
いいえ。大きな血栓の一片が分解され(塞栓としてしられています)、血液の流れに乗って心臓まで運ばれると、肺疾患塞栓症(PE)はDVT(深部静脈血栓症)の結果として引き起こされることもあります。それから心臓を通り抜けて肺の血管に流れ込みます。その結果、肺がかなり広範囲に損傷を受けると致命傷となりえます。DVT100例に対して1例がPEを引き起こすとみられます。
エコノミークラス症候群と呼ばれるのは何故ですか?
「エコノミークラス症候群」という呼び方は1977年はじめに、「旅行の後の肺血栓性塞栓症」と題された論文で使用されました。しかし、利用クラスに関わらず空の旅がDVTの発症と直接関連がないため、実際は用語として適切とは言えません。英議会は、より適切な名称として“トラベラーズスロンボウシス”(旅行者血栓症)を勧めています。
DVT発症の頻度はどの位ですか? 一般的になりつつありますか?
英国において人口全般的にみると、総合的に年齢にもよりますが、発症数は年間1,000人に1人から10,000人に1人です。動けなくなることや静脈中の鬱血が関係していることにより、発症率は入院患者、特に手術後ベッドから離れられない患者や椅子に座りきりの患者などに高いといわれています。DVTにとって椅子に座りきりということは脚が圧迫されて鬱血を起こす観点から明白な傾向といえます。DVTは航空機同様、長距離の陸路移動や列車を利用する方にも起こることが知られています。これらの共通した要因は、環境より、むしろ動かないことにあります。
航空機を利用する旅行は以前に比べ、より頻繁になりました。近代的な航空機の特徴は、飛行距離が延びたことや搬送できる乗客数が増え、空の旅の利便性と手ごろ感を共に高めました。このことで長距離旅行が増え、空の旅に起因するDVTも増加すると予測されています。
利便性と安全性が格段に増すことで、それまでは利用をためらっていた方々も航空機を利用するようになりました。英議会の報告書によると、総合的見解として長時間の旅行による危険度の増加は年間平均1,000名に0.2名と推測しています。
DVTを発症する確率が高いのはどういう人ですか?
DVTを発症しやすい要因は次の通りです:
上記に2つ以上当てはまる項目のある方はDVT発症の危険性が増加します。そのような場合、あるいは1つでも*印の箇所があてはまる場合は、旅行前に主治医の見解を求めることをおすすめします。
航空機での旅行中、DVT発症の危険を減少する何らかの手立てはありますか?
はい。2つの大きな要因は身体を動かさないことと脱水症状です。それらを解消するためにたくさんのことができますので、DVT発症の危険性を減らすことは可能です。
いくつかの提案:
DVTは事前に兆候は現れますか?また、兆候がわかった時は何をすればいいですか?
DVTの最も一般的な兆候は:
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